2020年10月14日水曜日

グズグズ大工部5

その翌日日曜日、葬式と火葬。
お経を唱える前『湯灌(ゆかん)』というのを依頼してあったようで
肉体も火葬により旅立たせる前に綺麗にしてもらうもの。
もう冷たくなっている身体に
(死亡鑑定の直後ドライアイスを用意してくれたので、身体が腐らないようになっている)
スタッフの人が全身を洗ってくれ、俺たち賛同者も洗髪を手伝えるもの。
説明として一人用の湯船
(水吐けるホース口あり、それを式場の見えないところから伸ばしてくる)に
仰向けのまま入れスタッフの人が行ってくれる。
もちろん爺ちゃんは全裸なんだがチンチン見せないよう大きいタオルで隠してくれ
その中に手を潜り込ませ洗う、で先も書いたように洗髪は俺たちも手伝うことができ、
全身洗った後(髭剃り、爪切り、化粧あり)の着替えは一度大きい戸を閉めスタッフで行う。
着替え後、武士の様な袴を着せてくれて食事をする、
食事と言っても固形物を口開けて入れるのではなく
日本酒?酒を綿棒に湿らせ唇に付け潤させるもの。
爪切りの時に左手の爪が青かったが、心臓より下にあるので血が降りてきたとのこと。
割と時間がかかり、骨皮なのにここまでやるのか;と
最後は袴の上に鎧や旅の為の杖として布や木の装備品を入れていく、そんな流れ。
婆さんが綿棒での食事の時に「今まで、お疲れ様ね」と言っていたのが印象に残っている。
これスキンヘッド(病気の為)の爺さんだったらどうすんだろう?
あと女性の人の場合髭剃りするのかな?未検証だが
そんな湯灌マニアはいないだろう。
綺麗にはしてあげたいという『気持ち』としてはいいが
やはり俺から言ってしまうともうそこに『生きている』爺さんはいないんだから…。